
コラム
歯を失うと寿命が縮む?最新研究が明かすお口の健康と長寿の関係

歯を失うと寿命が縮む?最新研究が明かすお口の健康と長寿の関係
「毎日歯磨きをしているけれど、もし歯が抜けてしまったらどうなるの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は近年、歯の喪失が私たちの「健康寿命」や「寿命そのもの」に大きな影響を与えることが明らかになっています[1, 2]。
東京科学大学(Science Tokyo)の研究グループが全国の高齢者を対象に行った大規模な調査から、驚きの事実が判明しました[2]。
この記事のポイント
- 歯の喪失は、要介護や死亡リスクの「健康格差」の約12%を占める[1, 2]。
- 歯が20本未満の人は、死亡リスクが平均3.2%上昇する[2, 3]。
- 特に男性や、心疾患・うつ症状がある人は死亡リスク上昇の影響を受けやすい[1, 3]。
1. 歯を失うことが「健康格差」の大きな原因に
約4万8000人の高齢者を9年間追跡した研究によると、社会経済的な状況(所得や教育など)によって生じる要介護や死亡リスクの差、いわゆる「健康格差」の約12%が「歯の喪失」によって説明できることが分かりました[2, 4]。
この影響の大きさは、抑うつ症状に次いで2番目に大きいとされています[2, 4]。
つまり、歯をしっかり残すことが、誰もが健康で長生きするための重要な鍵となるのです[1, 3]。
2. 歯が「20本未満」になると死亡リスクが上昇
さらに、約6万9000人を対象とした別の分析では、歯が20本未満の高齢者は、死亡リスクが平均して3.2%ポイント高くなることが確認されました[2, 3]。
特に注意が必要なのは以下のような方々です。
- 男性[1, 3]
- 心疾患(心臓の病気)を持っている方[1, 3]
- 抑うつ症状がある方[1, 3]
これらの条件に当てはまる場合、歯の喪失による死亡リスクの上昇はさらに顕著になり、男性で心疾患や抑うつ症状があるケースでは、最大で5.4%ポイントに達することも確認されています[3]。
まとめ:お口の健康は全身の健康の源
歯を失うことは、単に「食事がしにくくなる」だけではなく、私たちの命そのものに関わる重要な問題です[1, 3]。
健康寿命を延ばし、豊かな人生を送るためには、日々のセルフケアに加え、歯科医院での定期的な検診やプロフェッショナルケアが欠かせません。
監修
医療法人Olive秋月デンタルオフィス 院長 秋月大
出典・論文情報
本記事は、東京科学大学(Science Tokyo)の以下のプレスリリースおよび学術論文を基に作成しています。
- 東京科学大学 プレスリリース「歯の喪失が健康寿命の格差に与える影響を解明」[1, 2]
- (研究1)Journal of Epidemiology
"Tooth loss and socioeconomic inequalities in disability and mortality: a large-scale prospective cohort study in Japan" (Yusuke Matsuyama, Richard G. Watt, Jun Aida)
DOI: 10.2188/jea.JE20250127 [5] - (研究2)Journal of Dental Research
"High-Dimensional Effect Heterogeneity of Tooth Loss on Mortality" (Yusuke Matsuyama, Sakura Kiuchi, Takafumi Yamamoto, Jun Aida)
DOI: 10.1177/00220345251414360 [5, 6]






