
コラム
腎臓(CKD)と歯ぐきは関係ある?慢性腎臓病と歯周病の「つながり」をやさしく解説

腎臓(CKD)と歯ぐきは関係ある?慢性腎臓病と歯周病の「つながり」をやさしく解説
出典:三上理沙子/荒川真一「慢性腎臓病と歯周病の関わり」日本歯周病学会会誌 64(4):136-141, 2022. DOI:10.2329/perio.64.136
「腎臓が悪いと言われたけど、歯ぐきまで気にしないといけないの?」
こう聞かれることは少なくありません。結論から言うと、近年は慢性腎臓病(CKD)と歯周病の“関わり”が注目されていて、国内の総説でも整理されています。
今回はその総説論文をもとに、一般の方向けに分かりやすくお伝えします。
定義(まずCKDをかみ砕く)
- CKD(慢性腎臓病):腎臓の働きが慢性的に低下している状態
- 歯周病:歯ぐきの炎症が続き、歯を支える骨が減る病気
この総説は、CKDが増えている背景を踏まえ、CKDと歯周病の関連を整理し、歯周治療の意義を考察しています。
要点(「なぜ関係するの?」を一言で)
ポイントは、“慢性的な炎症”です。
- CKDは、状態によっては感染症や心血管疾患リスクにも関係し得るため、悪化予防が重要
- 歯周病は口の中の慢性炎症。放置すると炎症が長引きやすい
- そのため近年、CKDと歯周病が互いに影響し得るという視点で研究が整理されています
大事な注意点:総説は「こういう報告がある」と整理するものです。個々の病状・薬・生活習慣で状況は大きく変わります。断定ではなく、“関わりが示唆されている”という理解が適切です。
比較:CKDの方が「口の中で困りやすいこと」
CKDの方は、体調や通院、服薬の影響などで、口のケアが後回しになりがちです。結果として、次のような悩みが出やすくなります。
- 磨き残しが増える(疲れて丁寧にできない日が出る)
- 歯ぐきの腫れ・出血が続く(炎症が長引く)
- 受診が空いてしまう(通院が多く、歯科が後回しになる)
この「続けにくさ」を前提に、続けられる仕組みを作るのが現実的です。
具体例:CKDの方におすすめの「現実的な対策」
考え方(完璧よりも“悪化させない”)
CKDの管理が中心になるほど、セルフケアは波が出ます。だからこそ、短時間でも成果が出やすい手順にしていきます。
おすすめの進め方(3段階)
- 現状把握:歯周ポケット、出血、動揺、必要に応じてレントゲン
- 炎症のコントロール:クリーニングで炎症の“原因(汚れ・歯石)”を減らす
- 維持(メンテナンス):体調の波があっても継続できる間隔に調整
内科の主治医に伝えると良い一言
「歯周病の治療・メンテナンスを受けます。出血しやすさや服薬、透析スケジュールなど、注意点があれば教えてください。」
医科と歯科で情報共有できると、より安全に進めやすくなります。
まとめ
国内の総説では、CKDと歯周病の関わりが整理され、歯周治療が全身の健康にも寄与し得る可能性が述べられています。
腎臓のことを優先するほど、口のケアは後回しになりがちです。だからこそ、“続けられる形”で歯ぐきの炎症を整えていくのがおすすめです。
秋月デンタルオフィスでできること(福岡市中央区・南区)
- 歯周病検査(出血・ポケット・動揺など)
- クリーニング/PMTC(炎症の原因を減らす)
- 体調に合わせたメンテナンス設計(無理のない間隔・短時間メニューの相談)
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の代替ではありません。腎疾患で通院中の方は主治医と相談のうえ、歯科受診をご検討ください。







