
コラム
「神経を取った歯」はなぜ割れる?最新の研究が示す、歯を守るためのたった一つの真実
こんにちは。医療法人Olive秋月デンタルオフィスです。
「昔、神経を取った奥歯が急に痛み出した」
「治療したはずの歯茎が腫れている」
もしそのような症状がある場合、それは虫歯の再発ではなく、「歯の根が割れてしまった(垂直性歯根破折)」サインかもしれません。
一度歯の根が縦に割れてしまうと、現代の歯科医療でも残すことは非常に難しく、多くの場合は「抜歯」となってしまいます。
今回は、2026年2月に発表されたばかりの最新の歯科論文を元に、「なぜ歯が割れてしまうのか」、そして「どうすれば防げるのか」についてお話しします。
少し専門的なお話になりますが、あなたの大切な歯を一生守るために、どうしても知っておいていただきたい内容です。
本記事は、以下の最新の研究結果に基づいています。
論文タイトル:
Association Between Residual Pericervical and Apical Dentine and Vertical Root Fracture in Endodontically Treated Molars: A Case-Control Study
(根管治療済み臼歯における垂直性歯根破折と、残存する歯頸部および根尖部象牙質の関連性:症例対照研究)
著者: Kwangsoon Lee, Shanon Patel, Manjeet Ahlowalia, Ruth Perez Alfayate, Federico Foschi
掲載誌: Clinical and Experimental Dental Research
公開日: 2026年2月3日
【研究の要約】
根管治療を行った奥歯において、歯が割れてしまう(垂直性歯根破折)主な原因を調査。歯の根の先端部分(根尖部)の歯質がどの程度残っているか、また再治療の回数などが、歯が割れるリスクにどう影響するかを分析しました。
■ 最新研究で判明した「歯が割れる」衝撃の原因
この研究では、根管治療をした歯が割れてしまう原因について、非常に詳細な分析が行われました。そこで明らかになった「歯の寿命を縮める危険因子」は以下の通りです。
1. 「根の先」を削りすぎると危険
根管治療では、細菌に感染した部分を取り除くために器具を使って歯の内部を削ります。
しかし、今回の研究で、「根の先端部分(根尖部)を削りすぎて薄くなってしまうこと」が、歯が割れる大きな原因であることが科学的に証明されました。
汚れをしっかり取ろうとするあまり、健康な歯の壁まで削りすぎてしまうと、そこからヒビが入りやすくなるのです。
2. 「再治療」を繰り返すとリスクが激増する
これが最も皆様にお伝えしたい事実です。
一度根管治療をした歯が再び膿んでしまい、「再根管治療」を行うことがあります。しかし、再治療を繰り返すたびに、歯は内部からどんどん削られ、薄く、脆くなります。
この論文のデータによると、再治療を2回以上繰り返した歯は、割れるリスクが劇的に高まる(オッズ比 約88倍)という衝撃的な結果が出ています。
「悪くなったらまた治療すればいい」という考え方は、歯にとって非常に危険なのです。
3. 特に「下の奥歯」は要注意
下顎の第一大臼歯(6歳臼歯)は、噛む力が強くかかるため、他の歯に比べて割れるリスクが非常に高いことも改めて確認されました。
▼ 歯の違和感・治療のご相談はこちら(24時間WEB予約受付中)
■ 私たちができること:精密治療と「予防」
この研究結果は、私たち歯科医院と患者様に、ある重要な教訓を与えてくれています。
① マイクロスコープ等を用いた「削りすぎない治療」
論文でも結論付けられている通り、歯が割れるのを防ぐには、治療の成功率を維持しつつ、歯を削る量を最小限に抑える(ミニマム・プレパレーション)ことが不可欠です。
肉眼では見えない根の内部をマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などで拡大視し、汚染された部分だけをピンポイントで除去する。当院が精密な治療にこだわる理由は、まさに「歯の寿命を縮めないため」です。
② 何よりも「予防」が最強の治療
根管治療は、歯を残すための「最後の砦」です。しかし、どれほど素晴らしい治療技術であっても、治療をすればするほど歯は削られ、弱くなっていきます。
歯が割れて抜歯になってしまう未来を防ぐための、唯一にして最強の方法。それは…
「そもそも、神経を取るような
大きな虫歯を作らないこと」
これに尽きます。
- 定期検診(メンテナンス): 小さな虫歯のうちに見つければ、歯をほとんど削らずに済みます。
- プロによるクリーニング: ご自身では落とせない汚れを除去し、虫歯のリスクを減らします。
■ まとめ:痛くなる前に、秋月デンタルオフィスへ
「歯が痛くなってから歯医者に行く」のと、「痛くならないために歯医者に行く」。
この意識の違いが、10年後、20年後のあなたの歯の本数を決定づけます。
秋月デンタルオフィスでは、再治療のリスクを減らすための精密根管治療はもちろん、そもそも治療を必要としないための予防歯科に力を入れています。
「最近、歯医者に行っていないな」
「昔治療した歯が心配だな」
そう思われた方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
あなたの大切な歯を、私たちと一緒に守っていきましょう。
(24時間受付中)







